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任意売却をするときには、全ての住宅ローンの支払いを止めて、期限の利益を喪失しなければなりません。住宅ローンの支払いを止めたとしても税金は支払わなければなりません。納税は国民の義務ですが、税金を支払わなければ差押登記をされてしまい任意売却をすることができないというケースもあります。今回は、任意売却と税金関係の解説をしていきます。

納税は国民の義務

納税をすることは国民の義務となりますが、税金以外にも社会保険料などの支払いもしなければなりません。税金については、必ず納税しなければならず、その優先順位については最優先となります。

住宅ローンの支払いを停止して貯まるお金は、引越し用の積立資金にするほかに、税金の支払い用に貯めておかなければなりません。

おそらく住宅ローンの返済で窮しているということは、税金も未納という可能性が高くなります。税金が未納の場合、役所は差押登記をすることができ、結果として、任意売却をすることができないケースがあります。実際に任意売却の話がまとまり決済日に差し押さえされてしまい、任意売却が破断になったケースもあります。

税金について

納税を怠ると差し押さえをされてしまう税金ですが下記の通りです。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 住民税
  • 国民健康保険など

このほかにも、上下水道料金や認可保育園の利用料なども滞納していると、差し押さえの対象になります。

公租公課については、住宅金融支援機構の費用控除基準では、費用控除の対象になりますが、全額免除されるのは優先税になります。優先税とは、抵当権が設定される前に発生している税金のことです。ただ、優先税が発生することは非常に稀であり、住宅金融支援機構で控除してもらえる税金については、10万円または国定資産税・都市計画税1年分のいずれか低い額が控除の対象になります。つまり10万円以下までしか控除されません。

役所により対応は異なりますが、滞納している税金を全額納めない限り差押登記を解除しないケースもありますが、税金をしっかりと支払いますよという姿勢を見せることが重要になります。また、差し押さえをされる前に役所へ行き、事情を話すことで、差し押さえを猶予してくれるケースもあります。

無益な差押えの禁止

住宅ローンの返済ができず、任意売却を選ぶ場合、税金を支払うことができません。また、任意売却をしても滞納をしている税金分を回収することもできません。そのような場合、任意売却を邪魔するような差押えというのは、国税徴収法第49条にて、「超過差押及び無益な差押の禁止」として禁止されています。

法律で禁止されているとはいえ、実務上不動産等資産への差押えは督促状を発した日から起算して10日を経過した日までに完納しないときにできるものとされています。また、役所としては不動産がいくらで売れるなど検討することなく、不動産の資産価値よりも住宅ローンの残債務の方が大幅に多い状態であっても容赦なく差押えをしてきます。

つまり、役所の税金対策を行っていますと、ある日突然、差し押さえをしてくることがあります。

まとめ

役所は無益な差し押さえが禁止されているとしても、税金を滞納していると差押登記をしてきます。差押登記をされますと、任意売却をすることはできません。

公租公課は住宅金融支援機構では控除の対象になっていますが最高で10万円までしか控除されませんので、住宅ローンの支払いを停止しているときには引越し費用の積立資金と納税分の資金にしましょう。

税金の滞納が原因の差押えにより任意売却が失敗するケースというのは意外と多くあります。任意売却に失敗したくない場合は事前に役所に行き、税金が支払えない理由などを話しておき、しっかりと納税する姿勢を見せておくことで、税金が原因の差押えを回避することができます。

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