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任意売却をする際におこなう必要があるのが、配分案の作成です。通常の不動産売却では、この配分案の作成は必要ないのですが、任意売却では配分案を作らなければ、抵当権等抹消の承認が得られませんので、マイホームを売却することができません。特にフォーマットがあるわけではないのですが、配分案を作成する時期や方法を今回は紹介をします。

配分案の作成

配分案(配分表)は、マイホームの販売活動中に購入希望者が見つかり、その購入希望者から買付証明書をもらい、想定売却価格の範囲内であれば、売却価格をもとに債権者(抵当権者)への配分案を作成します。

この配分案に関してですが、つまりは、不動産の売却金額を各債権者(抵当権者)や利害関係者に対して、どの債権者に売却金額からいくら割り当てるのかを一覧にした表のことです。

各債権者(抵当権者)とある通り、マイホームに抵当権等担保権を設定している金融機関等になり、抵当権等担保権を設定していない、無担保の債権者に対して配分案を作る必要はなく、任意売却の売却価格の配分対象者にはなりません。

配分案に関しては、決まった書式などはありませんが、書く内容というのはおおむね決まっています。

配分案に書く内容

配分案に書く内容としては下記の4点さえ記載されているのであれば、不備はないでしょう。

  • 売却価格(売却予定価格)
  • 諸費用
  • 後順位抵当権者への配当額、担保解除料(ハンコ代)、(仮)差押解除料
  • 宛先の債権者への配当金

債権者(抵当権者)への配当額の決め方に関して

債権者(抵当権者)への配当額の決め方ですが、原則的には競売と同じように「抵当権の順位」を基準にして決めていきます。つまり第1順抵当権者への配分が最優先となり、次いで、第2順抵当権者への配当、そして第3順抵当権者への配分という順番になります。

マイホームを任意売却で換金した現金の多くを、第1順抵当権・第2順抵当権・第3順抵当権の順に配って行きます。

任意売却に関しては抵当権を持っている債権者全員が、マイホームの任意売却に合意して協力をする必要があります。1人でも非協力では任意売却は失敗に終わるので、抵当権や差押登記、仮差押登記を抹消しなければなりません。

しかし、配当案を作ってみたら実務上は1円も配分を得ることができない抵当権者、例えば第3順やそれ以降の順位の抵当権の方には配分金を支払うことができません。そのため、配当金の代わりに、多少の担保解除料、いわゆるハンコ代を支払い、抵当権解除に協力を要請するというのが一般的です。

非協力的な後順位抵当権者

中には、ハンコ代の値上げなどを要求して抵当権を手放さない抵当権者も存在します。このような後順位の抵当権者に関しては、競売になったら配当金は当然、1円も入りませんので、そのあたりをよくよく話し合う必要があります。

競売になったら配当金は0円ですが、競売よりも高額で売れる任意売却の場合、ハンコ代が出ますので、すべての債権者に金銭的な収入がありますので、すべての債権者に何らかのメリットがあることをきちんとわかるような形で配分案を作ることが、揉める可能性を低くします。

まとめ

配分案(配分表)は、マイホームの購入希望者から買付証明書をもらったら、売却金額をもとに債権者(抵当権者)のために作成します。書式などは決まっていませんが、下記のようなことが書かれていれば問題がありません。

  • 売却価格(売却予定価格)
  • 諸費用
  • 後順位抵当権者への配当額、担保解除料(ハンコ代)、(仮)差押解除料
  • 宛先の債権者への配当金

また配当金と担保解除料(ハンコ代)に関しては、揉めるケースがありますが、競売になれば配当金が0円になるということを説明することで、解決するケースが一般的です。

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