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競売の場合、様々な業者からアプローチがあります。インターネットを利用すれば以前よりも容易に競売の情報を得ることができるようになったので、それを悪用する業者が多くなっても仕方がないでしょう。今回は、事件屋と呼ばれる悪質な業者について紹介をします。競売は事件屋のような悪質な業者をはじめ様々な業者からのアプローチがありますので、任意売却をするべきであるといえます。

事件屋とは?

競売をする場合、現在ではインターネットに不動産の3点セット(現況調査報告書・評価書・物件明細書)が公表されるほか、専門のサイトである「BIT(不動産競売物件情報サイト)」にも3点セットが公表されます。

個人情報保護の観点から人物名などに一部黒塗りはされますが、これらの資料が無料で一般公開されています。

以前は、裁判所の配当要求終期の公告についても、知る人ぞ知るレアな情報源でありましたが、現在はかなり手軽に入手することができ、まっとうな業者から悪質な業者まで幅広い業者から、競売を行おうとするとアプローチがかかります。

そのひとつの業者が「事件屋」と呼ばれる存在です。

この事件屋とは、もともとは競売物件に入札をする参加者のことを指すことばでした。競売物件を裁判所は事件番号で管理しているので、裁判所の手続きでは競売も民事事件の一つの扱いになります。その競売物件の参加者だから事件屋です。

しかし、現在は事件屋の意味合いも異なってきています。以前は、法整備がなされていませんでしたので入札をするハードルが高かったのですが、現在は法整備がなされ、法人や個人でも気兼ねなく参加することができるようになりました。

そのため、現在の事件屋は以前の事件屋とは異なり、自宅が競売になってしまった人物、そして競売の落札者にたかる存在にシフトしています。

つまり、事件屋は裁判所の職員・弁護士・司法書士・司法関係者・NPO法人・コンサルタントといった肩書の入った名刺を持ち、配当要求終期の公告や3点セットで物件を調べ、現在の所有者を訪問もしくはDMにて「競売事件を引き延ばすことによって時間稼ぎをしてあなたを助ける」といいアプローチをとってきます。

具体的には、競売手続きに対する不服申し立てである「執行抗告の代行」をおこないます。通常、執行抗告には理路整然とした理由が必要なのですが、事件屋は適当な理由で執行抗告状を裁判所へ提出します。このように執行抗告状をやたらに提出することから、事件屋ではなく「抗告屋」とも呼ばれています。

裁判所の対応について

裁判所も、事件屋・抗告屋の存在を把握していますので「競売開始決定通知書」を送付する際に、「抗告屋に注意するように」と注意喚起の文書を同封する裁判所もあります。

執行抗告状が出された場合、正当な理由であれば、高等裁判所へ抗告されますが、抗告屋が提出する執行抗告状の理由については、高等裁判所へ抗告されることなく、地方裁判所にて却下されるのが一般的です。

専門的には原審却下決定というのですが、抗告屋がおこなうことは結局のところ、原審却下決定になる程度で大した時間稼ぎにもならない、無意味なことをわざわざ代行して行っているにすぎません。

近年では任意売却という手法が広く浸透しており、競売で住宅を手放す人数が減ってきていますので、今度は任意売却と絡めて商売を始める事件屋・抗告屋の存在もあります。

つまり、相場よりも高額で住宅を任意売却することができる上に、売却後に立退料も出すことができるという、夢のような話を持ち掛けるわけです。現実問題、不可能であり起こるはずがないのに、切羽詰まっていると見事に騙されてしまうわけです。

任意売却を考えるのであれば、このような怪しげな集団がアプローチを仕掛ける前に自分から信頼できる業者を選び契約を結ぶことをおすすめします。

まとめ

競売をする場合、配当要求終期の公告をはじめとして個人情報が広く漏れてしまいます。それを悪用する業者が事件屋・抗告屋の存在です。

切羽詰まっている債務者を助けるという名目で意味のない執行抗告状の提出を裁判所へおこない、競売を邪魔します。近年では、任意売却業者を装い夢のような話をして債務者をだます業者も存在します。

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